
首や肩の痛みは、長時間のデスクワーク、姿勢の悪化、加齢、スポーツなど様々な原因によって発生します。特に、肩こりやストレートネック、四十肩・五十肩などの症状は、多くの人が経験します。症状が慢性化すると日常生活にも影響を及ぼし、放置すると悪化する可能性があるため、早期の診断と適切な治療が重要です。
症状

- 首が張っている
- 首から肩にかけて痛い
- 後ろを向くと痛い
- 肩が重だるい
- 肩が痛くて腕が上がらない
- 頭を動かすと手足がしびれる
- 慢性的に肩こりがある
首の主な疾患
- 変形性頸椎症
- 頸椎椎間板ヘルニア
- 頚椎捻挫(むち打ち症)
疾患について
変形性頸椎症
加齢や長年の負担によって首の骨(頚椎)や椎間板、靭帯などが変形し、神経や脊髄を圧迫することで、首や肩、腕などに痛みやしびれなどの症状を引き起こす病気です。
頸椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアは、加齢による椎間板の変性や過度な負荷などによって、椎間板が破損し、その一部が飛び出している状態を指します。飛び出した椎間板が周囲の神経を圧迫することで、痛みや痺れなどの症状を引き起こすのが特徴です。
頚椎捻挫(むち打ち症)
むち打ちは、交通事故などにより、首(頚椎)に過度な負担がかかり、痛みや不調が生じる病態です。
むち打ちは、単に首の痛みだけでなく、頭痛、肩こり、手のしびれ、集中力の低下、倦怠感、めまいなど、多彩な症状を引き起こすのが特徴です。
肩の主な疾患
- 肩こり
- 四十肩・五十肩
- 肩腱板損傷・断裂
- 肩石灰腱炎
疾患について
肩こり
首や肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなることで、張りや痛み、だるさなどの不快感が生じる状態です。猫背や前傾姿勢などで、首や背中が長いあいだ緊張し、運動不足や精神的ストレスによっても起こります。ほかの疾患に起因して肩こりが出ることも少なくありません。
ストレッチや適度な運動、姿勢を改善するなどの対策で改善が期待できます。
四十肩・五十肩
主に40代、50代の中年期に発症しやすく、肩の痛みや可動域の制限を特徴とする関節疾患の総称として用いられます。症状は徐々に進行し、夜間痛や運動時痛、関節可動域の著しい制限などが現れます。
腱板損傷・腱板断裂
肩関節の筋肉の2層構造を調整する腱板に損傷や断裂が起こり、肩を挙げたり、回したりする動作が難しくなり、痛みを伴う症状が挙げられます。重症例では、腕を全く上げられなくなることもあります。
事故などによる外傷性のものと、長年の肩の酷使や加齢による腱板の変性が蓄積して起こる変性性のものがあります。
肩石灰腱炎
肩の腱板に石灰(リン酸カルシウムの結晶)が沈着し、炎症と激しい痛みを引き起こす病気です。
肩関節の安定性に関わる腱板に、石灰が沈着することで炎症が起こります。この石灰は、はじめはミルク状で、徐々に練り歯磨き粉状、石膏状と硬くなっていきます。
主に30~60歳代の女性に多く、肩を動かした際の急激な痛みと可動域制限が特徴です。